箱庭ドローンシミュレーターを開発した一般社団法人 組込みシステム技術協会様・合同会社箱庭ラボ様にインタビューを致しました!
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今回は箱庭ドローンシミュレータを開発した一般社団法人 組込みシステム技術協会様・合同会社箱庭ラボ様にインタビューさせて頂きました!

「一般社団法人 組込みシステム技術協会様」インタビュー記事への回答ご担当者様情報

牧野様

お名前…牧野 進二、岡田 大和(ひろかず)、森 崇
役職…一般社団法人 組込みシステム技術協会 シミュレーションPF活用WG 主査(牧野)
シミュレーションPF活用WG 副主査(岡田)
合同会社 箱庭ラボ CTO(森)
ドローン操縦歴…3年くらい
所有資格…二等無人航空機操縦士(岡田)
所有機体(または好きなドローンの機体)…eVTOL

営業時間 調査中
定休日 調査中
電話番号 03-6372-0211
メールアドレス メール jasainfo@jasa.or.jp
お問合せフォーム https://www.jasa.or.jp/data/
公式サイト 一般社団法人 組込みシステム技術協会
所在地 〒104-0042東京都 中央区 入船 1-5-11 弘報ビル5階 
地図・アクセス

※箱庭ドローンシミュレータの概要についてはこちらをご覧ください。

 

「一般社団法人 組込みシステム技術協会<」の牧野さんにインタビューをしました

ドローンスクールラボ事務局

この「箱庭ドローンシミュレータ」を開発しようと思ったきっかけは何ですか?当初はどのような課題やニーズを解決することを目指していましたか?

牧野さん

過去、組込みシステム技術協会では、金沢工業大学との共同研究にて、VTOL型のリアル機体を共同開発しながら、ドローンの利活用の研究を行ってきました。この共同研究の中で、飛行場所の問題、天候、法規制、機体の安全検証などのリスクなどを考慮する必要があり、リアルな機体だと手軽に飛ばすのが難しいため、手軽にドローンを飛ばせるシミュレータを開発することが経緯となっています。
また、国土交通省の航空法の改正により、ドローン機体の安全性、操縦の正確性を担保することが必須になってきており、ドローンを飛ばす前に安全へのリスク分析ができることや、実際に飛行ができなくなった場合の検証ができるシミュレータが必要であると考えました。
多くのドローンユーザの声からも、操縦ライセンスは取得したが、操縦訓練が手軽にできないため、実際にドローンを飛ばす場合のリスクがあるとの声から、手軽に飛ばせる仕組みを提供できるようにしたいと考えました。

ドローンスクールラボ事務局

手軽に飛ばせるようになると嬉しいですね!PX4やROS2との連携はどのように実現しているのですか?物理シミュレーションにはMuJoCoやPhysicsを採用していますが、その理由やメリットは?

牧野さん

PX4については、PX4が標準で備えるシミュレーション機構(SITL)を活用します。ドローン物理シミュレータがPX4の想定するMAVLink通信プロトコル(ドローン制御用標準通信仕様)に対応すれば、PX4と連携したシミュレーションが可能です。箱庭ドローンシミュレータもこのMAVLink対応を実装しており、Ardupilotとも同様な方法で連携できます。
ROS2との連携については、「箱庭ブリッジ」というプラグインを追加するだけで実現可能です。箱庭ドローンシミュレータは、「箱庭」というプラットフォーム上で動作するため、その拡張性や接続性をそのまま利用できます。特に箱庭では、ROS2標準のデータ定義言語であるROS IDL(Interface Definition Language)の概念を取り入れた独自仕様「箱庭PDU(Protocol Data Unit)」を採用しています。ROS IDL形式でmsgファイルを定義すると、PythonやC/C++、C#、Rustなど複数言語向けのデータ構造や、TCP/UDP、MQTT、ROS2、Zenohといった通信ミドルウェア向けコードを自動生成できるため、ユーザは好みのプログラミング言語や通信方式をそのまま活用できます。
物理シミュレーションについては、UnityやUnreal Engineといった汎用ゲームエンジンを使わず、制御工学の知見を取り入れた独自物理エンジンとなる「Physics」を実装しました。これにより、推力・重力・空気抵抗・衝突などを実機に近い精度で再現でき、運用前の安全評価にも適しています。また、物理エンジンは選択式で、MuJoCoの利用も可能です。MuJoCoは、高精度剛体シミュレータとして定評があり、Googleも採用しているほか、現在オープンソース化されており、コストをかけずに高度な剛体シミュレーションを含む実験環境を構築できます。

ドローンスクールラボ事務局

運転前に評価できたら安心ですね!風や温度などの環境要素をどの程度リアルに再現できるのか、具体的な事例を教えてください。

牧野さん

風の部分は、風速をパラメータで変更できるようにしており、風が吹く場所を変更できるようになっています。温度は、ドローンの各種センサー類の温度ドリフトができる空間を用意することで実現できるようになっています。
気圧の作用による、ドローン飛行時の変化も実現することが可能になっています。

■シミュレーションでのデモ動画類
https://hakoniwa-lab.net/products/drone/

ドローンスクールラボ事務局

シミュレーションデモありがとうございます!他のドローンシミュレータと比較して、最も大きな差別化ポイントは何だと考えていますか?また無償版と有償版(PRO)の違いと、それぞれに適した利用シーンを教えてください。

牧野さん

差別化要素は、リアルな飛行実現と思っております。独自の物理エンジンを利用することで、環境要素と組み合わせた飛行訓練リアルな体験ができると点と、ドローン飛行における安全性の検証やマルチモーダルのようなモノとモノの連携したデジタルライフラインの実現における安全性の検証など、シミュレータとしての柔軟性と拡張性が高い点だと考えています。

ドローンスクールラボ事務局

それぞれに合ったものを利用して欲しいですね!教育現場や研究機関での導入事例があれば教えてください。展示会や体験イベントでの活用事例はありますか?

牧野さん

教育現場では、芝浦工業大学のモデリング授業でのサマーキャンプ(https://www.youtube.com/watch?v=QNyQIo2Je6U )にて利用されています。OSSで公開されたものを使って大学の学生が第12会 学生クラウドプログラミングワールドカップ(https://cpwc.forum8.co.jp/2024/ No16 愛媛大学)で特別賞を受賞した実績があります。
はこだて未来大学での研究要素としても利用されています。
TOPPERSカンファレンスにて、TOPPERS of the Yearを3年連続で受賞した実績があります。(https://hakoniwa-lab.net/2025/06/25/news-23/)
展示会では、デジタルソリューション株式会社様にて、量子コンピューティングEXPOにて、ドローン経路最適化(https://acs-l.jp/corp/digital-sol/qc25.html)として出展されています。
Japan Drone 2025にて、株式会社 先端力学シミュレーション研究所様と共同で、ドローンの性能計測や安全飛行の分析システムとの連携として出展しております。(https://www.astom.co.jp/news/1236.html)
大阪・関西万博にもARドローン体験、バーチャルドローン観光ツアー、デジタルツイン技術の活用として出展をしております。(https://www.expovisitors.expo2025.or.jp/events/fc667935-a250-4ed9-9b00-b8553be3e431)
体験イベントとしては、ATCロボットストリートでのARドローンの子供向け体験イベントの出展(https://robot-street.com/) や NIRO(公益財団法人 新産業創造機構)ドローン利活用プラットフォームにて、DRONE HYOGOミートアップに出展(https://www.niro.or.jp/focus-area/aerospace/drone-pf/topics250714/)しています。

ドローンスクールラボ事務局

分かりやすくまとめてくださりありがとうございます!開発の過程で最も苦労した点は何ですか?チームや開発体制はどのように構成されていますか?

牧野さん

独自の物理エンジン開発が最も苦労した部分です。物理エンジンの開発にあたっては、制御工学でのドローン制御の読み解き、大学でドローン研究されている先生方からアドバイスの実現、実際にドローン飛行士として活躍されている方による繰り返しテストを行ってもらいながら、よりリアルな動きになる部分を創意工夫していった点です。
また、箱庭ドローンシミュレータはPX4やArdupilot、ROS2、さらにはAR/AI連携など拡張性が非常に広く、それぞれの開発を個別に進めつつも、プロジェクト全体としての連続性をどう維持するかにも苦労しました。
開発体制は、箱庭ラボ 森さんを中心に2名体制で実施しています。チーム体制として、対外活動を岡田さん中心に対応をしています。開発で作られたものを展示会や体験イベントで宣伝しながら活動を継続しております。

ドローンスクールラボ事務局

チームなのですね!今後追加予定の機能や改善ポイントを教えてください。AIや群制御、自律飛行などとの統合についてのビジョンはありますか?

牧野さん

生成AIとの連携は既に実現済みです。自律飛行に関しても同様です。
バーチャル空間の利点を活かして、今後はドローンショーの実現のための群制御、よりリアルな飛行体験のためのプロポ操作実現、バーチャルドローンレースのためのFPV制御の実現、環境要素の拡充(電波、太陽光など)を予定しています。
さらに、これらの機能を統合することで、遠隔地からの複数人同時操縦や、AIを活用した最適飛行ルートの自動生成、安全性評価シミュレーションなど、現実の運用に直結する高度な訓練・実験環境を提供していく構想です。

ドローンスクールラボ事務局

AIの活用はこれからは必須になるでしょうね!毎年増えていくドローン市場規模。今後の日本のドローン市場・世界のドローン市場はどうなっていくと思いますか?

牧野さん

世界のドローン市場は2035年までに約68.7億ドルまで成長すると予測されていますので市場としては伸びると予想しています。日本のドローン市場については、ドローンレベル4活用のための安全性の担保方法の定義やルール化が必要になってくると思っており、シミュレータの活用が必要になってくると予測しています。
XR関連の技術発展も進むと予想しており、訓練シミュレーションのリアルティと没入感が向上することで、よりリアルな飛行訓練ができるようになると予測しています。
今後、ドローン利活用にあたっては、農業・防衛・物流・商業など採用が進んでいくとは予測していますが、安全性・規制要件も同時に行われてくると予想しており、バーチャル空間を使った検証の需要が高まると予想しています。

ドローンスクールラボ事務局

確かにそうですね!初めてドローンシミュレータを導入しようと考えている方へのアドバイスは?読者や将来の利用者に向けて、一言お願いします。

牧野さん

バーチャル空間を利用することで、初めてドローンに触れる人でも手軽に飛行体験が可能です。箱庭ドローンシミュレータは、環境要素を追加することで、実空間でのドローン利活用にあたっての事前検証や、マルチモーダルとしてのモノとモノの連携の検証など様々なシミュレーションに活用できますので是非使っていただきたいです。

ドローンスクールラボ事務局

ここまでご丁寧にありがとうございました!

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