第二種型式認証済み「エアロボウイング(AS-VT01K)」についてエアロセンス株式会社にインタビューさせて頂きました

今回は第二種型式認証済みの「エアロボウイング(AS-VT01K)」について「エアロセンス株式会社」様にインタビューさせて頂きました!

エアロセンス株式会社の第二種型式認証済み「エアロボウイング(AS-VT01K)」情報

機体・メーカー エアロボウイング(AS-VT01K)【エアロセンス株式会社】
最大積載量(最大ペイロード) 1.0kg
電話番号 03-3868-2551
メールアドレス お問合せフォーム https://aerosense.co.jp/contactus/
公式サイト紹介ページ https://aerosense.co.jp/products/drone/as-vt01k/
国土交通省認証PDF https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001746769.pdf

インタビュー記事への回答ご担当者様情報

お名前…佐部 浩太郎
役職… 代表取締役社長

営業時間 9:00~18:00
定休日 土・日曜日・祝日
電話番号 03-3868-2551
メールアドレス メール contactus@aerosense.co.jp
問い合わせフォーム https://aerosense.co.jp/contactus/
公式サイト エアロセンス株式会社
産業用ドローンメーカー所在地 〒114-0012 東京都北区田端新町1丁目1−14
地図・アクセス

「エアロセンス株式会社」の佐部様にインタビューをしました

ドローンスクールラボ事務局

御社の第二種型式認証取得済みの「新型エアロボウイング(AS-VT01K)」の開発に至る経緯などを教えて頂けますか?

佐部様

エアロボウイングは国産機として初の垂直着離着陸型固定翼(VTOL型)ドローンで、2020年に発売を開始しました。固定翼とマルチコプター(回転翼)の両方の機能を備えており、NVIDIAの組み込みスーパーコンピュータ「Jetson TX2」と、当社製のフライトコントローラを同一基板で統合して、自動飛行を制御する仕組みです。

エアロボウイングは2015年の設立当初から開発を始め、商品化までに5年の歳月を費やしました。VTOL型のドローンはマルチコプター型と比べ開発が難しい分参入障壁が高くなり、他社がなかなか真似できないというメリットがあります。国内初ということもあり発売後は市場を開拓する課題もありましたが、プロモーションや営業活動に注力したことで長距離・広範囲の撮影や測量ができるメリットが少しずつ浸透し、導入いただける企業や自治体が増えてきました。

その後、2022年にドローンの社会実装を進めるため国土交通省が新制度を開始し、機体認証、無人航空機操縦者技能証明、運航に係るルールが整備され、レベル4飛行が解禁されました。その後、事業者側よりレベル3飛行の緩和措置の要望を受け、立入管理措置撤廃するとともにライセンスの保有と保険加入により、道路や鉄道等の横断を容易化する目的でレベル3.5が新設されました。エアロボウイングはその長距離飛行能力から目視外飛行を前提としている上に、国や自治体が管理する設備や地域の点検・調査に用いられることが想定されたので、国が定めた基準に適合していくことは避けて通れないと考えていました。いち早く型式認証取得にも動き出すことで、競争優位性を維持し事業成長を促進する狙いです。

また、私たちがエアロボウイングを運用し点検や調査などの役務を提供した後に、お客様自身が購入して導入段階になると「第二種型式認証は取れていますか?」「無人地帯補助者なしで運用できますか?」という問いや要望が増えてきていることも感じました。

このような経緯から、エアロボウイングの社会実装を進めるうえでは型式認証は必須と認識し、申請の準備を開始しました。そして2023年11月に国土交通省に申請が受理され、2024年6月にVTOL型ドローンとしては国内初となる第二種型式認証を取得したのです。

ドローンスクールラボ事務局

世の中の需要や要望に応えておられるのですね!御社「エアロボウイング(AS-VT01K)」の魅力や強みはどのようなところですか?(スペックなど)

佐部様

垂直離着陸型固定翼ドローンのため滑走路がなくても飛行することができ、固定翼モードで最長50km、40分間飛行します。約300ヘクタールを1フライトで調査や点検でき、最高速度100km/hの高速飛行が可能です。マルチコプター型のドローンと飛行機の2つの機能を融合させた機体で、滑走路を必要しないため場所を選ばず簡便に運用できることや、水平飛行時にトラブルがあっても瞬時にマルチコプターに戻れますので安全性も高いことが、特徴です。

ペイロードに関しても、静止画高解像度撮影(測量向け)、赤外線や4K可視光の動画撮影(点検向け)、マルチスペクトルカメラ(植生分析)、LiDAR(地形測量向け)、貨物ボックス(輸送向け)など用途に合わせて選択できるように取り揃えてあります。

ドローンスクールラボ事務局

安全性が高いのは嬉しいですね!御社「エアロボウイング(AS-VT01K)」はどのような企業様や公的機関に利用して頂きたいでしょうか?また具体的な用途を教えて頂けますか?

佐部様

エアロボウイングは長距離・広範囲の測量、点検、撮影などを目的に、主に地方自治体、建設コンサルティング会社を中心に利用いただいています。また、民間の損害保険会社に対し、水害を受けたエリアをエアロボウイングで撮影、3Dモデルを作成し水の流れのシミュレーションと被害を受けた家屋を確認し、被害を受けた方の申告内容と一致させ迅速に保険料を支払うことができた例の他、緊急時を想定した医薬品輸送の実証実験などの事例もあります。用途は広いので、より幅広い企業様に活用いただければ嬉しく思います。

ニーズが高いインフラ点検においては、山間部に設置された砂防堰堤、河川や道路の巡視など、長距離や広範囲の点検の場合、マルチコプター型のドローンでは飛行距離が短いため何度も飛行させる必要がありますが、エアロボウイングであればそのような課題を一気に解決できることが強みです。

具体的な例として、山間部の砂防堰堤は洪水や地震に備え点検は安全かつ迅速に行う必要がありますが、砂防は山間部のアクセス性が悪い場所に設置されていることが多く、人による点検が困難です。エアロボウイングは離着陸に滑走路を必要としないため、5m×5mのスペースを確保すれば山間部でも運用することができます。

加えて垂直離陸後に水平飛行に遷移するとマルチコプター型ドローンと比べて使用電力を大幅に抑えることができ、事前に設定した複数の砂防堰堤上を飛行させるフライトプランに従って自動飛行するため、安全に広範囲にわたる施設の点検をすることができます。また、ドローンによる写真測量により三次元データも得られるため、砂防施設の点検だけでなく土砂の変動状況なども把握することが可能です。
このような特徴や強みだけでなく、利用いただくことで業務効率の向上や安全の確保などのメリットなどを多くの潜在的顧客に伝えることで、より普及を図っていきたいと考えています。
第二種型式認証を受けたドローンは、二等無人航空機操縦士の有資格者が運用することで、立入管理措置を講じた上で一部の特定飛行を行う際の許可・承認が不要になります。前述した利用シーンで、発災や出水時に手続きを省いてすぐに飛ばしたい、緊急時に人手が足りない、平時から省人化を計りたい、などの要求に応えられるようになります。

ドローンスクールラボ事務局

こんなにも用途が広いならたくさんの企業さんにもご利用いただけますね!御社「AS-VT01K」を導入する際の費用感や注意点などはありますか?

佐部様

「新型エアロボウイング(AS-VT01K)」は第二種型式認証を取得と同時に予約を開始しています。ペイロードにもよりますが価格は従来機種と同等程度を目指しています。お問合せをいただければ、お客様が抱える課題に対し最適なソリューションを提供します。エアロボウイングは全自動での運用が可能で、購入いただいた際は座学と実技の研修を実施しますので、どなたでも安心して利用いただけます。

一方で、現時点VTOL型ドローンの技能証明には「回転翼航空機(マルチローター)」と「飛行機」の両方の資格が必要とされていますが、エアロボウイングの運用には通常時、非常時に限らず固定翼の手動操縦は必要ないことから、技能証明取得の簡略化を働きかけています。

ドローンスクールラボ事務局

活用へのハードルが低いのも魅力的ですね!毎年増えていくドローン市場規模。今後の日本のドローン市場・世界のドローン市場はどうなっていくと思いますか?

佐部様

日本は現在少子高齢化に伴う労働人口の減少が社会問題となる中、点検・測量などに携わる人材不足に悩む産業や自治体が増加していることが実態です。当社が労働力不足の課題解決貢献することで、支援を続けることで国内でも普及していくと考えています。

VTOL型ドローンは世界規模で増えていくと言われていますが、日本国内では海外と比べると認知度は低いことが現状です。今後も市場の創造を目指して積極的にエアロボウイングの魅力を伝え続けていく必要があると考えています。

ドローンスクールラボ事務局

様々な方向からの効果に期待しております!御社「エアロボウイング(AS-VT01K)」の導入を検討している企業様や公的機関に一言お願い致します。

佐部様

エアロボウイングは長距離・広範囲の飛行ができる特徴を活かし、インフラ業界や自治体などで測量や点検を中心に活用いただいています。エアロボウイングを市場に投入する前、広域や長距離の調査においてはセスナやヘリコプターが利用されることもありましたが、今ではVTOL型ドローンの利便性が認知され、その注目度が高まりつつあると考えています。
国土交通省にエアロボウイングの安全性と信頼性が基準に適合し第二種型式認証されたことで、より安心してご利用いただけますので、導入をご検討いただければ嬉しく思います。

ドローンスクールラボ事務局

ここまでご丁寧にありがとうございました!

「エアロセンス株式会社」などが開発するドローンの型式認証機体の詳細情報はコチラ

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